技術情報|株式会社IHIアグリテックの環境機器

株式会社IHIアグリテック

技術情報TECHNOLOGY

特 集

救急車での車内空間除菌処理について

技術論文

技術論文1

オゾン殺菌装置の開発 石川島播磨技報 Vol.43 No.4 ( 2003-7 )

※1

釜瀬幸広、村上弘記、高橋亮二、高岡啓吾、中村八寿雄

オゾンは非常に強い酸化力を持つとともに自然分解して酸素に戻る環境に優しい物質であり、その特徴を生かして殺菌・脱臭・漂白などの多くの分野で利用が広がっている.本稿では、オゾンを用いて数種類の菌種に対する基礎殺菌試験を実施し、処理オゾン濃度、処理時間を適切な値に設置することによって、高い殺菌効果を確認した。また、開発した殺菌装置を使用してフィールドで検出される対象菌に対する殺菌試験を行った結果、十分な効果が得られた。

技術論文2

オゾンガス殺菌装置の開発 日本医療・環境オゾン研究会会報, Vol.10, No.1, 4-7.( 2003 )

※1

釜瀬幸広、三浦幸子、菊池正浩、高木博司

オゾンは高い殺菌効果と共に高い環境親和性から様々な分野での適用が広がってきている。本研究は、オゾンガスを用いた殺菌装置を開発し、殺菌試験を行いその効果を確認した。Bacillus subtilisに対して初発菌数1x106、処理時間300分の条件で残菌数0が得られた。あわせて、実際の処理対象物へのオゾンガス浸透性についても試験を実施し、処理条件を適切に設定することにより、十分適用できることを確認した。

技術論文3

オゾンガスによる消毒効果とリネン材への適用検討 日本環境感染学会誌 巻号 :VOL. 23 No.4, 2008

※1

中村八寿雄、高木博司、釜瀬幸広、橋本光洋、榛葉紀久雄

フッ素に次ぐ高い酸化力を持つオゾンガスの各種細菌に対する消毒効果を確認するとともに、病院リネン材への適用を考慮してオゾンガスの処理対象物内部への浸透性や処理に伴う影響状況を調査した。S. aureus, P. aeruginosaなどの処理対象菌を寒天培地に接種し、オゾンガス処理後の残菌数を測定し、未処理をコントロールとしてその減少率により消毒効果を評価した。オゾンガスCT (オゾンガス濃度と処理時間との積)値1,000 ppm・minで処理することにより、90%以上の消毒効果が推定された。実適用に近い状況を想定したメンブレンフィルターを菌の担体とした消毒試験においても、同様なオゾン処理条件で90%以上の消毒力が得られた。病院リネン材に対するオゾンガスの内部への浸透性を確認するため、処理対象物の周囲濃度及び処理対象物の内部各所におけるオゾンガス濃度計測を行った結果、布団の場合で4つ折りとし、2セットを積み重ねた場合においても、約70%の浸透性が得られた。また各種処理対象物へのオゾン処理による影響確認試験を実施した結果、実用上での問題が無いことを確認した。これらの結果から、病院リネン材の消毒方法として、オゾンガスを適用できる可能性があることが見出された。

技術論文4

インフルエンザウィルスのオゾンガスによる不活化 IHI 技報 Vol.49 No.2 ( 2009-6 )

※1

田中浩、櫻井美栄、石井浩介、松澤克明

オゾンガスを利用して、室内の壁や床に付着・乾燥したインフルエンザウィルスを不活化する場合の有効性を検証するため、プラスチックおよびガラス担体にウィルスを付着・固定し、オゾンガス曝露試験を行った。オゾンガス濃度 10 ppm では 3.5 時間で 99.99%以上、20 ppm では 2.5 時間で 99.999%不活化できることが確認された。一方、オゾンガスに曝露させなかった場合は、10 時間経過後も高い感染力価を保っていた。以上の結果から、オゾンガス曝露がインフルエンザウィルス不活化に有効であることが示された。

技術論文5

散気式オゾン水生成装置により生成されたオゾン水の生活環境に存在するカビに対する消毒効果の検討 家畜衛生学雑誌第43巻第 2号 (2017)

※1

宮崎朋美、篠原みなみ、白井淳資、高鳥浩介、釜瀬幸広、黒松久、櫻井美栄

オゾン水を畜舎や動物病院における消毒に有用な資材であると考え、ウイルスや細菌に対する消毒条件を検討した。オゾン水の生成には散気式オゾン水生成装置を用い、ウイルスはエンベロープを有する家畜ウイルスの代表として牛伝染性鼻気管炎ウイルス(IBRV)、エンベロープの無いウイルスの代表として牛エンテロウイルス(BEV)を用いた。細菌はグラム陽性菌で抵抗性の強いリステリア菌、および芽胞の状態にした枯草菌を用いた。生成したオゾン水200 mLに菌液およびウイルス材料 1 mLを加え 1 分間感作させた後、10倍階段希釈しPFU/0.1 mL もしくは CFU/0.1 mL を測定した。10、20、35℃いずれの温度下でも1.0 ppmの濃度でIBRVおよびBEVは検出されず、従来の報告よりも低い濃度で有効性が確認された。芽胞に対しては10℃の条件下では5.0 ppmのオゾン濃度でも殺菌効果はほとんど観察されなかったが、温度を35℃まで上昇させると3.0 ppmのオゾン濃度で非常に高い殺菌効果が観察され、4.0 ppmでは完全に殺菌された。リステリア菌に対しては、10、20、35℃いずれの温度下でも1.0 ppmで高い殺菌効果が観察され、反応温度が高いほど殺菌効果は高かった。これらのことから今まで高濃度のオゾン水が必要と考えられていた病原体に対し、低濃度オゾン水生成装置から生成されるオゾン水でも温度を調整することにより高い殺菌効果を示すことが明らかとなった。

技術論文6

オゾン水の殺糸状真菌(カビ)効果におけるpHの影響 家畜衛生学雑誌第44巻第 I号(2018)

※1

宮崎朋美、安田奏平、中川健斗、白井淳資、高鳥浩介、釜瀬幸広、黒松久、櫻井美栄

病原微生物感染による人や動物の疾病、食品や環境への病原微生物による汚染は社会に様々な損失をもたらすため、日常の衛生管理は非常に重要で、ある。衛生管理の一環として消毒作業は必須であるが、消毒剤の残留による環境汚染や健康被害が危倶されるなど課題も多い。優れた消毒剤の探索が求められる中、消毒資材としてオゾン水は、細菌、芽胞、ウイルス、糸状真菌(以下カビ)に対し消毒効果が確認されている 2, 3. 8).また、オゾン水は酸素と水から生成され、短時間で分解して酸素と水に戻るため 4)、環境残留の問題も起こりにくい。このようにオゾン水は優れた消毒資材であり、食品原材料の洗浄、食品工場や畜舎設備の清掃に利用されるなど実用化が進む一方で、、菌種や株による消毒効果の差や 9, 12),オゾン水抵抗性カピの存在も確認されている 5).カピの生育条件は主に水分活’性、温度、 CO2濃度、 pH、栄養状態に左右される 3).一方、消毒資材の効果に影響を与える因子としては作用オゾン濃度、作用時間、作用温度、 pHがあげられる。そこで、オゾン水の消毒効果を向上させる条件を探索することを目的として、共通の影響因子として pHについて消毒効果における影響を調べた。本研究はオゾン水抵抗性カビを用いてオゾン水のpHが殺カビ効果に与える影響を検討した。

技術論文7

換気システム及びオゾンによる室内のインフルエンザウイルス除染過程に関する数値解析 第 33 回数値流体力学シンポジウム講演番号C10-1(2019)

※1

笠井 友貴、福留 功二、山本 誠、坂本 和之

インフルエンザ(Influenza)は、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症の一種であり、咳や高熱、食欲不振などの症状を引き起こす。例年推定1000 万人が感染し、感染者が比較的多い年は、インフルエンザおよび肺炎などの合併症による死亡者数が顕著に増加することが明らかになっている。インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって発症する。これまで、感染経路は主に接触感染と飛沫感染が考えられてきたが、近年、感染者の呼気に含まれるインフルエンザウイルスが空気中に長時間滞在することによる空気感染リスクの存在が確認された。従って、これまで重要視されてきた飛沫感染と接触感染へのインフルエンザの予防対策だけでは不十分な可能性が指摘されている。空気感染への予防対策として、室内の換気や酸化作用のあるオゾン等による殺菌が注目されている。以上の背景から、本研究では、感染者から吐き出されたインフルエンザウイルスに汚染された室内空間の除染システムのシミュレーション技術の構築を目的とする。インフルエンザの空気感染対策として、換気システム及びオゾンガスを使用する除染手法について各種物理現象のモデル化と数値計算により検討し、除染過程への影響調査を行った。

製品紹介

製品紹介1

真空型オゾン殺菌装置およびオゾン水内視鏡殺菌機 IHI 技報 Vol.50 No.2 ( 2010 )

※1

株式会社 IHI シバウラでは、オゾンのもつ強力な殺菌力を最大限に活用するため、真空および高湿度にした装置内( 庫内 )でオゾンを暴露する方法を採用し、これらの相乗効果によって高い殺菌効果を実現した。業界で初めてとなる真空型オゾン殺菌装置および低濃度領域でオゾン水を製造する技術や安定的に殺菌効果を維持する技術を確立し、オゾン水を用いた画期的な内視鏡殺菌機を開発したので紹介する。

製品紹介2

安心で衛生的な院内環境づくりをサポートオゾンガスによる医療機関寝具などのリネン消毒庫 OR-5V IHI 技報 Vol.50 No.3 ( 2010 )

※1

株式会社 IHI シバウラが開発したリネン消毒庫 OR-5V は、自然界に存在し、強い酸化力をもつオゾンによる消毒方法を用いている。低ランニングコスト、残留毒性がなく環境に優しい、劇毒物・発がん性物質の指定がないなどの理由によって、多くの病院、介護施設で利用されている。

製品紹介3

医療スタッフにも、環境にも優しいオゾン水による内視鏡殺菌機 IHI 技報 Vol.51 No.2 ( 2011 )

※1

内視鏡普及に伴い、内視鏡による感染の防止対策は医療スタッフのみならず、検査を受ける側でもますます重大な関心事となっている。オゾン水濃度計の搭載によって、リアルタイム濃度管理システムを実現した世界初の内視鏡殺菌機を紹介する。

製品紹介4

てくのすこーぷで視た内視鏡消毒機の発明 IHI 技報 Vol.55 No.1 ( 2015 )

※1

技術開発の現場で生まれた「 発明 」は、特許という知的財産になります。
今回は、オゾン水を用いて内視鏡を消毒する装置の特許について紹介します。

製品紹介5

見えない脅威に備えるIHI の技術・製品・サービス IHI 技報 Vol.61 No.1 ( 2021 ) 1

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新型コロナウイルス感染症 ( COVID-19 ) のパンデミック、地球温暖化に伴う気候変動が起因した自然災害などによって社会および生活が一変することを多くの人が体感しています。まさに今、見えない脅威に備える必要があるのではないでしょうか。パンデミックの脅威に対しては、感染リスク軽減が必要であり、感染予防をより強化する備えが肝要となります。IHI グループの 19 の技術・製品・サービスをご覧いただき、見えない脅威にどのような備えをしなければならないのか。IHI グループと共に考えていきましょう。備えあれば憂いなしです。

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